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『メタバースを活用してどのようなことができるの?』
『メタバースをビジネスに活用するにはどのような方法がある?』などメタバースの活用した方法を模索されている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、場所にとらわれずにショッピングや人とのコミュニケーションを楽しめるバーチャル空間・メタバースをビジネスに活用した事例を紹介し、メタバースの新たな可能性について探ります。メタバースを使ったビジネスチャンスを知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
メタバースとは、インターネットを利用した仮想空間のことで、現実世界とは違うもう一つの世界のようなものです。ビジネスにおいてメタバースを活用することで、バーチャル会議やショッピング体験をしたりと、バーチャル空間内にいる人(アバター)同士でコミュニケーションを楽しむことができます。メタバースを活用することで得られるメリットは多くありますが、一例を紹介します。
例えばショッピングひとつとっても、メタバース上のバーチャル店舗で買い物ができれば、実店舗に訪れたときのようにコミュニケーションを取ることができ、ネット上で楽しい買い物体験ができるようになるでしょう。メタバースは、仮想空間を活用することで、今までできなかったことができるようになる、という大きな可能性を秘めています。メタバースをビジネスに活用していく企業は、これからもっと増えていくと考えられます。
では実際に、メタバースをビジネスに導入した企業の具体的な事例を見ていきましょう。メタバースをビジネスに活用することで、どのようなことが実現できているのでしょうか。
大和ハウスは、2022年4月から『バーチャル住宅展示場』を開始しました。アバターを通じてバーチャル空間で住宅を見学することができます。メタバース内にいる担当者アバターに気軽に質問できるほか、内装や壁の色を変えるなど簡単に家のシミュレーションができるため、具体的な家のイメージがしやすいと好評だそうです。
従来の住宅展示場という方法に、バーチャル空間をかけあわせることで、小さいお子様連れでなかなか遠出ができないという子育て世代や高齢者がいるご家庭でも、場所にとらわれず気軽に住宅を見学できるようになっているようです。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001768.000002296.html
メタバースを利用したバーチャルオフィスサービス『Meta Life』は、メンバー全員がアバタMetaLifeーとなってひとつのスペースに参加します。リモートワークが進み、通勤時間は減りましたが、ちょっとした雑談ができなくなったり、コミュニケーション不足によるトラブルが起きたりと、デメリットも見えてきました。
業務を効率化し、コミュニケーションが円滑にできるような機能を兼ね備えたメタバースオフィスは、テレワークの孤立化を防ぎチームの一体化を推進してくれるでしょう。『Meta Life』は、パナソニックやTOTOなどの企業に導入されています。
出典:https://metalife.co.jp/
メタバース空間上で様々なアーティストのオンラインライブに参加できるフェス会場「VARK ARENA(バークアリーナ)」は、株式会社電通グループと出資先の株式会社VARKが合同で開発したメタバースライブ会場。バーチャルライブ音楽イベント「テレ東バーチャル音楽フェス」に会場を提供しました。バーチャル会場でアバターとして参加することで、ライブの様子を生配信で視聴する以上に、アバター同士で没入感を感じることができるようです。
出典:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000867.html
様々な企業のメタバース活用例を紹介しましたが、実際に取り入れてみてどうだったか、今後のさらなる活用法なども知りたいと思いませんか?今回は、メタバースをビジネスに取り入れた企業を取材しました。愛媛県でライブコマースを行う企業『株式会社クリエ』(以下クリエ)の代表取締役の出口友子さんにお話を伺いました。
ライブコマースとは、インターネット上で生放送のライブ配信を行いながら、商品を販売したりサービスを紹介する方法です。ライブ配信者や視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを楽しみながら、買い物ができます。クリエでは、『地域の課題解決と変化に対応できる力を多様な価値観とテクノロジーでクリエイトする』ことを目的に愛媛県松山市を拠点に活動しています。オンライン上で愛媛の特産物や観光地を紹介する『デジタル愛媛ツアー』を開始し、継続的に愛媛の魅力を全国に発信しています。
ウェビナビでは過去に、地方創生のライブコマースをテーマにクリエの出口さんへ取材しています。地方愛媛から発信するライブコマース誕生のきっかけや、デジタルの力で地方を盛り上げていくポイントを紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
クリエは、精力的にライブコマースを続けデジタル愛媛ツアーのファンを着実に増やしながら地域を盛り上げています。そんなクリエの新たな挑戦として、2023年3月に「メタバース×ライブコマース」を掛け合わせたイベントを開催しました。
2023年1月にこけら落としをしたばかりの今治里山スタジアムから、スタジアムツアーを生配信するもので、ライブ配信と同時にメタバース空間内で楽しめるという新たな試みです。メタバースの仮想空間内には、ライブビューイングと同様の大きな画面に、ライブコマースの様子が映し出されました。
それでは、新たなチャレンジとしてクリエが実施した「ライブコマースとメタバース」に取り組んだ目的や活用方法について紹介します。そもそもなぜ、ライブコマースにメタバースを取り入れようと思ったのでしょうか。
出口さん:メタバースを取り入れた理由は、「配信者と視聴者」だけではなく「視聴者同士」がコミュニケーションを取る”双方向のコミュニケーション”を実現したいと思ったからです。
ライブ配信の特徴は、『配信者と視聴者』との双方向のコミュニケーションが取れることですが、同じライブ配信を見ている視聴者同士がコミュニケーションが取れる機会はなかなか難しいという面があります。
例えば、好きな歌手や舞台など、リアルタイムなライブコンサートに行って楽しめる醍醐味のひとつに、同じ時間を共有した人同士の会話を楽しめるということがあります。鑑賞後に『あの曲がよかった』『曲順がよかったよね』とライブを振り返り、感想を共有するのもリアルライブの楽しみ方ではないでしょうか。
デジタルの世界でも、視聴者同士がコミュニケーションを取って楽しむことができることができないか検討していた出口さん。そこで、メタバースを活用し、バーチャル空間内で『視聴者同士』がコミュニケーションをとることができる、『ライブ配信会場』をつくり一緒にライブ配信を楽しむ空間づくりを目指したのです。
メタバースを活用した『ライブ配信会場』では、視聴者が仮想空間内でアバターとして入り、自由に歩き回ったり、他のアバターと同じ空間でライブコマースの視聴を楽しむことができます。映画館のような大きなスクリーンに映されたライブコマースを見ながら、タオルを振り回したりジャンプしたり、拍手をしたりとリアクションをすることができます。
また、メタバース内のアバター同士がチャットでやり取りすることもでき、ライブコマースを見ている視聴者同士が感想をつぶやいたり、軽いコミュニケーションが取れたりと繋がりを持てる空間です。
出口さん:メタバースとライブコマースを掛け合わせる方法は、まだまだやり方の工夫が必要だし、できることはもっとあると思います。でも、まずチャレンジできたのはよかったです。
メタバースを活用した『ライブ配信会場』でライブコマースを視聴し、アバター同士で盛り上がることで、ライブコマースをさらに楽しめる、新しい体験を提供できたのではないでしょうか。
クリエの新しい試みは、メタバースだけではありません。ライブコマースデビューを応援する、パブリックビューイング型ライブコマース『えひめルーキーズ』にも挑戦しています。
『えひめルーキーズ・ライブコマース』とは、愛媛で活動する創業者の販路拡大や新商品開発の試験販売(テストマーケティング)を応援する事業で、愛媛県内で創業した15組のルーキーズがパブリックビューイング型ライブコマースです。愛媛県松前町のショッピングモール『エミフルMASAKI』を会場に、展示や商品販売のブースを設置。パブリックビューイング型のステージを設置し、誰でも気軽に参加できるイベントです。愛媛県内の創業者『ルーキーズ』が愛媛の名産品を次々に紹介する様子は、会場にいるお客様だけではなく、全国にライブ配信されました。
パブリックビューイング型ライブコマースとは、会場にご来客頂いたお客様と対面で行われるイベントだけではなく、遠方にいるお客様もライブ配信で参加できるというものです。リアルのオフラインイベントの良さと、ライブ配信を活用したオンラインイベントの良さがマッチした面白い試みですね。では、なぜリアルなイベントとライブ配信を同時に行おうと思ったのでしょうか?
出口さん:オンラインで発信するデジタル愛媛ツアー視聴者の居住地は、愛媛と首都圏の半々。愛媛住民だけでなく、もっと多くの人に見てもらいたいと思っています。
しかし、まだまだ「ライブコマースって何?」とライブコマースを見たことがない、知らないという人も多いんです。SNSなどで告知をして集客をしていますが、デジタルツールに親しみがない人にも届くようにしたいという思いがありました。
そこで、会場に来ていただいたお客様の目の前でライブコマースの実演をし、リアルに訴求するのがよいのではと思いました。パブリックビューイング型ライブコマースを行うことで、ライブコマースを見たことがない人に「ライブコマースってどんなことをするのか」を実感してもらえるのではないかと思い、パブリックビューイング型ライブコマースに挑戦しました。
リアルタイムでライブ配信の様子を実感することで、『ライブコマースって難しそう』という感覚の視聴者に、ライブコマースを魅せることが狙いだったのですね。会場では、目の前のお客様もステージを見ながら、携帯で感想やコメントをして楽しめるよう参加の仕方の説明もされていたようです。リアルなイベントを開催して『こういうことをやっているんだ!』と実感してもらえれば、ライブコマースの視聴者は少しずつ増えていくかもしれません。
ライブコマースの認知度を上げるためには、配信者となる創業者の方々にもチャレンジしてもらうことも大切です。イベント会場で大勢のお客様の前で事業について話すだけでなく、全国にライブ配信されるという新しい体験にもかかわらず、堂々としたルーキーズたちの姿が印象的でした。実際に出演したルーキーズの方は、見えないお客様と繋がるというのが新鮮でよかったという感想があったそう。また、ライブコマースでは視聴者のコメントを見ながら話せるため、視聴者の反応が目に見えてわかるのでよかったという声も。今回のルーキーズライブコマースをきっかけに、YouTubeやSNSを始めた方もいたようです。
ライブコマースを実施する感覚をリアルに体感してもらうことで、自分も実施できそうだ、今後も続けてみようと思ってもらえれば、ライブコマースの実施者が増えていくのではないでしょうか。
出口さん:今までデジタル愛媛ツアーを知らなかった人やライブコマースの存在自体を知らなかった人へのアプローチを、少しずつ可能にしていきたいです。デジタルの世界に足を踏み入れ楽しさに触れてもらうことがクリエの役目であり、第1次産業やデジタル産業の発展を応援したいです。
今回、パブリックビューイングやメタバースを活用し、ライブコマースとイベントを掛け合わせたことで、新しい楽しみ方に挑戦した出口さんに、メタバースの活用として今後どのような事業展開を行いたいのかを伺いました。
出口さん:次にやりたいのは、地元のお祭りライブコマースです。おみこしの様子を気軽にライブ配信で中継できるので、地方と首都圏、または地方と違う地方を繋ぎ、さらにライブコマースで地域の名産品を販売したりできるのではないかと考えています。新しいアイディアを取り入れながら、日本ならではのライブコマース進化の礎になれたらいいですね。
出口さんの考えるクリエの今後は、もっと大きな世界を見据えています。
出口さん:さらに、メタバース上にデジタル商店街を作りたいです。デジタル商店街なら、愛媛のお店と東京のお店を並べることも可能。ふるさと祭りのようなイメージで、時間ごとにライブコマースを行い、10時は愛媛、13時は広島のなどと地域別にイベントライブをやるのもおもしろいと思います。メタバース上にブースを出展したりアバター同士で会話したり、愛媛県以外の近隣の県も巻き込んでやっていきたいです。ただ、一社ではやれることが限られてくるので、この記事を見て興味を持っていただけた方は、問い合わせいただけると嬉しいです!
クリエの挑戦は愛媛にとどまらず、全国に広まっていくのかもしれませんね。メタバースやパブリックビューイングを取り入れるなど、ライブコマースと何かを掛け合わせることで、もっと楽しく盛り上がっていくのではないかと思いました。視聴者に楽しんでもらうためにはどうしたらよいかを常に考え、進化し続けるクリエの今後にますます期待が高まります。
クリエの活動内容、イベントはこちらをご覧ください:https://www.clear-a01.com/
クリエが企画運営する『デジタル愛媛ツアー』の情報はこちらをご覧ください:https://www.live.clear-a01.com/
メタバースの活用事例として、「メタバースとライブコマース」を掛け合わせたクリエのイベントを紹介しました。メタバースを活用することで、全国どこにいてもイベントに参加できたり仲間と繋がってコミュニケーションを取ったりできるようになります。メタバースを活用する企業は増えていますが、メタバースとライブコマースを掛け合わせることも一つの方法です。視聴者同士・配信者同士がコミュニケーションを取りながら、エンターティメントや買い物が楽しめれば、メタバースの力で、生活がさらに豊かになっていくのでしょうか。
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