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松葉ガニの初競りをオンラインで見学できるというユニークなライブコマースが行われました。
多くの視聴者を集めた今回のライブコマースはどういった経緯で行われたのでしょうか?
松葉ガニとはズワイガニの雄のこと。
地方によっては「たらばガニ」とも呼ばれており、高級食材として知られています。
主な流通先は旅館や飲食店などの観光業界。
松葉ガニはこれまで多くの旅行ツアーの目玉品として活躍していました。
しかし新型コロナウィルによる自粛の影響で松葉ガニの需要は激減。
2020年12月にはGoToトラベルによって再び旅館や飲食店での需要の高まり、2020年比62%増の8722円となったものの、12月28日にGoToトラベルが停止されると再び暴落。
2021年1月の平均単価は12月から5425円下がり、4982円となりました。
そんな苦しい状況を打破すべく、鳥取市で鮮魚仲買業を営む株式会社中村商店は“ライブコマースの導入”を提案しました。
ライブコマースとは近年多くの企業が導入を進めている新しいマーケティング方法。
イメージとしてはテレビショッピングのオンラインライブ版。
簡単に言うと視聴者はライブ配信にコメントをしたり、ショッピングを楽しんだりすることが出来るというサービスです。
テレビショッピングとの大きな違いは双方向のコミュニケーションが可能だということ。
視聴者はスマートフォンやパソコンでライブ配信を視聴し、その中で商品について疑問点があれば配信者と対話することが可能。
欲しい商品があれば簡単な操作で購入をすることもできます。
また、オンラインストアとの違いとしては、写真だけではわからない商品の質感を動画で見られるという点があります。
こうした利便性から化粧品業界やアパレル業界などの多くの企業がライブコマースを導入しています。
ほとんどの場合、ライブコマースは配信者が商品の魅力を視聴者に語るという形式で行われています。
しかし今回、中村商店が行ったライブコマースは魅力を語るだけではない斬新なものでした。
松葉ガニの初競りは例年11月7日に行われています。
2019年の初競りでは史上最高額となる1杯500万円の松葉ガニが落札され大きな話題となったため、テレビで見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
そんな松葉ガニの競りが行われている競り場には厳しい入場制限があり、競りを見ることが出来るのは登録している仲買業者のみと限られています。
そこで今回のライブコマースは「普段は見られない松葉ガニの初競りにオンラインで潜入しよう」というテーマのもと視聴無料で開催されました。
その内容は、視聴者は初競りをライブ配信で見学、さらに仲買人が競り落とした松葉ガニをその場で購入できるというもの。
かなり斬新ですよね。
中村商店ではこの仕組みを“疑似競り体験”と呼んでいます。
この“疑似競り体験”は見て楽しいというだけではなく、格安で高級食材の松葉ガニを購入できるという実利的なメリットも持ち合わせています。
格安での販売を可能にしたのはスーパーなどの流通ルートを通さないというライブコマースだからこそです。
また、配信の中では様々な楽しい企画がありました。
仲買人による競りの心得レクチャーコーナー。
事前に募集した「そもそも松葉ガニって何?」、「競りの仕組み」、「魚がスーパーで並ぶまでの経路は?」、「時価って高いの?」などの質問に仲買人が答えるという質疑応答コーナーなどです。
普段知ることのできない競りの世界を体感できた視聴者からは多くの喜びの声が寄せられていました。
ところで松葉ガニを買ってもどうやって調理したら良いのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そんな方に向けて11月21日に「松葉ガニを食べ尽くそう!オンライン料理教室」という配信が企画されています。
こちらのオンライン料理教室は1日完結・限定20組。
参加費用は24,000円税込みとなっており、申し込みを済ませた方には大サイズの松葉ガニ(約700g) 2杯が届けられます。
配信は仲村商店から行われ、内容はプロの料理人が松葉ガニのさばき方やかにすき鍋の作り方がレクチャーするというもの。
こちらの料理教室は2020年にも開催されており、参加した視聴者からは「みんなで作る感が湧いてきて楽しかった」、「他の方の進み方やつまずき、質問などがとても参考になりました」など多くの感想が寄せられていました。
気になる方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
併せて調理の予習や復習ができる動画が中村商店Youtubeチャンネルで配信されるそうなのでまずはそちらから視聴してみるのも良いかもしれません。
出典:http://asageiko.jp/feature/matsubagani_20211121/
今回紹介した2つのライブコマースの運営は「京都朝げいこ」によって行われています。
京都朝げいこは京都のPR会社が運営する朝の活動を推進する団体。
主な活動としては朝の時間帯限定でのライブコマースやウェビナーを行っています。
実は中村商店と京都朝げいこがタッグを組むのは松葉ガニが初めてではありませんでした。
2020年8月にも中村商店と京都朝げいこは共同で「大人も楽しむ夏の自由研究~イカ墨vs.墨汁はどっちが黒い?書道家がライブ配信で検証!~」というオンラインイベントを開催。
参加者には鳥取県の名産品である白いかの刺身、イカ墨、毛筆がセットで届けらます。
ライブ配信には書道家の藤井翔夢氏が登場し、自分の名前を美しく書くコツをレクチャー。
視聴しているお子さんはイカ墨で書道を、大人は刺身を楽しめるという内容でした。
これまで紹介した疑似競り体験やイカ墨で書道など、京都朝げいこが手掛ける企画はインパクトの強さと楽しさを併せ持ったものが多く、今後の動向にも期待が寄せられています。
いかがでしたでしょうか。
今回は松葉ガニのライブコマースについてお伝えしました。
今後も様々な業界がライブコマースに参入し、ユニークな配信が登場してくるのではないでしょうか。
今後もライブコマース業界の動向に注目していきたいと思います。
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