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LTV(顧客生涯価値)とは?企業が顧客との関係を築くうえで重視したいと言われるLTVとはどんな指標なのでしょうか。顧客生涯価値の算出方法や企業の成功事例などを詳しく解説します。
目次
LTVは「顧客生涯価値(Life Time Value)」の略称で、ある顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標です。
LTVが高いということは、顧客が長期的に企業に貢献していることを意味します。マーケティング戦略や顧客獲得コストの最適化において非常に重要な指標です。
LTVを明らかにすると、自社のビジネスの構造や状況、優良顧客の傾向分析ができ、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
例えば、LTVが高い顧客層に対しては、より多くのリソースを投入する価値があると判断できるため、特別な案内を送ったり、クーポンを配布して購入を促したりと企業側がアクションを起こすことができます。
以下のような社会環境の変化により、今後もますますLTVが重要視されることが考えられます。
LTVの計算方法はいくつかあります。
採用する計算方法はビジネスモデルによって異なりますが、以下では「メーカーや小売りなどのリピート商材」と「SaaSや会員ビジネスなどのサブスク商材」の2つのケースにおける一般的な計算式を紹介します。
リピート商材とは、一度の支払いで永続的な利用権を獲得できるものを指します。洋服や日用品などの消耗品はもちろん、ソフトウェアやライセンス、Wi-Fi、広告枠などの中でも一度の支払いで長期間の使用が保証される買い切り型ものも含まれます。
例: 2ヶ月で使い切る、販売価格10,000円の基礎化粧品の場合
LTV=平均顧客単価×購入頻度(年)×平均契約期間(年)
LTV=10,000円×6回×5年=300,000円
サブスクリプション型とは、定額を支払うことで利用し続ける権利を得るサービスのこと。Netflixなどの動画視聴プラットフォームやAmazonPrimeなどの会員サービスも含まれます。
これらのサービスは「解約率」を考慮して計算します。
LTV=ユーザー平均単価(ARPU)×利益率÷解約率(チャーンレート)
例:某会員サービスの利用料
LTV=3,000円×0.3÷0.05=18,000円
顧客単価を上げる(※)など、手法的なLTV向上の取り組みはありますが、ここでは戦略的な取り組みをご紹介します。これらを意識的に行うことで、顧客の購入頻度の向上や継続利用期間の増加につながり、LTVの向上につながります。
(※)顧客が商品を購入する際の平均金額を増やすことで、LTV向上に直結します。具体的な方法として、顧客が現在利用している商品やプランのアップグレードを提案するアップセルや、 関連する商品やサービスを一緒に購入してもらう施策であるクロスセルを活用しましょう。
顧客が商品を買わなくなる大きな要因に「(そのブランドを)忘れた」ということがあります。つまり、顧客には自社やブランドを定期的に想起させることが重要なのです。
リピート購入型、サブスクリプション型、どちらにおいても、顧客とのコミュニケーション頻度を高める取り組みをしましょう。
さらにコミュニケーションの中で、企業の価値観やビジョンを明確に伝えることが重要です。顧客は、自分が支持する企業の価値観やビジョンに共感することで、その企業の商品やサービスに対してより深い信頼を抱きます。具体的には、企業のウェブサイトやブログ、SNSを活用して、企業のミッションやビジョン、価値観を発信することが効果的です。
顧客と共に価値を向上させる取り組みも、LTVを高めるために重要です。顧客が企業の商品やサービスを利用する際に感じる価値を高めるために、顧客の意見やフィードバックを積極的に取り入れることが必要です。その一環として、顧客参加型のキャンペーンやイベントを開催し、顧客との直接的なコミュニケーションを図ることが効果的です。また、顧客の意見を反映した商品改良や新サービスの開発も、顧客満足度を高めるために有効です。
ライブコマースとは、ライブ配信をしながらリアルタイムで商品を紹介し、顧客と対話しながら購買を促進する手法です。以下3つの特徴があることからLTV(顧客生涯価値)を向上したい企業にぴったりのツールです。
1. リアルタイムのインタラクティブ性
ライブコマースでは、視聴者に対してリアルタイムで特別なオファーや限定商品の紹介を行うことができます。これにより、視聴者はその場で購入を決断しやすくなり、購入頻度が増加します。また、ライブ配信中にアップセルやクロスセルを行うことで、顧客の平均購入単価を引き上げることができます。
2. 顧客との距離を縮めるパーソナルな体験
ライブ配信中に視聴者からの質問に即座に答えたり、商品の使い方デモやQ&Aセッションによって、顧客は商品に対する理解をスムーズに深めることができます。また企業の裏側や配信者の人柄を見せることで、親近感を感じてもらう効果もあります。
3. ファン同士のコミュニケーション活性
企業と消費者という一方向性だけでなく、ブランドのファン同士が交流できるコミュニティを形成することができます。視聴者同士がコメントを通じて意見交換を行うことで、ブランドに対するロイヤリティが高まり、長期的な顧客関係が築かれます。
ライブコマースは、ライブ単体の成果ではなく、平均購入単価やリピート購入者数、購入率、リピーター数がどれだけ増えるかに着目します。つまりそれ自体がLTV向上に直結する考え方なのです。
Webinabiの独自調査のもと、ライブコマースを活用してLTVを高めている企業の成功事例を紹介します。
1998年に創業した「株式会社わかさ生活」は、サプリメントの通信販売会社です。顧客とのコミュニケーションの場として、コールセンターやECサイトに加え、ライブコマースも活用。目的は商品販売だけではありません、健康情報や商品開発の裏話、視覚機能向上のトレーニングなど、役立つ情報を提供し、顧客との交流を深めることを大切にしています。さらに、出演者は全員社員で、顧客との信頼関係を築くことを重視。ライブ配信の企画には全社員が参加し、カスタマーセンターやSNS担当、書籍部門などがそれぞれの視点からオリジナリティあふれるコンテンツを提供しています。
顧客とのつながりを深めるために、わかさ生活が意識していることは以下の記事に詳しくまとめています。詳しく知りたい方は以下のコラムをご覧ください。
わかさ生活に学ぶ!LTV(顧客生涯価値)を高める方法とは? | ウェビナビ
ユニクロは「UNIQLO LIVE STATION」というライブコマースプラットフォームを導入しました。ここでは、スタイリストや店舗スタッフがリアルタイムで商品を紹介し、視聴者がその場で質問できるため、視聴者に対してパーソナライズされた体験を提供しています。定期的なライブ配信を通じて、視聴者との信頼関係を築き、リピーターを増やすことに成功した事例と言えるでしょう。
ユニクロのライブコマースについて、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
ユニクロのライブコマースに学ぶ、成功への4つの鍵 | ウェビナビ
Beamsは、2016年からインターネット向けの情報発信やコンテンツ作成に取り組んでおり、2020年3月にライブコマースを開始。自社開発のITシステムを使い、ライブ配信の視聴から商品購入、決済までをワンストップで行えるため、顧客満足度を高め、他社との差別化を図っています。
ライブ配信中に顧客と直接コミュニケーションを取ることを意識し、ブランドへの信頼感と親近感が増し、リピーターの獲得につながっているといえるでしょう。
ビームスのライブコマース戦略は、顧客とのエンゲージメントを強化し、データを活用したパーソナライズされた体験を提供することで、LTVの向上に成功しています。
Beamsライブコマースの実態とは?成果や課題、その可能性に迫る | ウェビナビ
以上の成功事例からも明らかなように、ライブ配信を活用した顧客とのリアルタイムコミュニケーションは、LTVを向上させるために非常に有効な手段です。企業は、ライブ配信を活用して顧客との共創を促進し、持続的な成長を実現することができます。
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